エロゲクリエイターと広報営業の意識の差
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概要
ゲーム開発において、クリエイターと広報営業はどこも意識の差が大きいものです。
エロゲーメーカーでも、密に連携を取って、広報活動に生かせているメーカーは少ないのではないでしょうか?
それでは、クリエイターと広報営業との意識の差で起こることとはなんでしょうか?
企画書を読まない
企画書にしても営業はショップに売り込むためにも読む必要があります。しかし、クリエイターの方は企画書を読まない人が多く、製品自体のセグメントや方向性・ポジショニングなどの確認作業をほとんどしないらしいです。
そして、マーケティングを元に展開をしようとすると開発の方々が文句を言って仕事しなくなる所が多いとか。
例えば、「市場調査してマーケティングをした結果、こうした方がいい」という発言を、「広報個人がこんなこと言ってる」に挿げ替えられる瞬間が切ないと、某メーカーの広報も頭を悩ませている状態。
自分達が作りたいものを優先するあまり、売上げにならず次回作に繋げられないというのは会社にとっては問題のある状態です。(もちろん、そういった情熱も大切ですが…)
作品によって売りやすい、売りにくい作品が広報にもあり、特に売りにくい作品をどうやって売るのか考えても、それで売れなければ広報の責任にされるという話もあります。
エロゲクリエイターに限らず、クリエイティブ系にはありがちな話ですね。
売りにくい作品とは?
基本的に作品にコンセプト部分が無く、結果的にただ作っただけの作品や、コンセプトはあるにはあるが、それの面白さを伝えにくい作品。他社と差別化ができない作品やターゲットがニッチ過ぎて売れる要素が殆ど無い、そんな作品が売りにくとのこと。
酷いものだと、最初に聞いたコンセプトと上がってきた作品がまったくの別モノになってきたりもするようです。
この場合は、担当ディレクターに問題がありですね。
ただ、ユーザー側としては、需要の多い作品ばかりだと面白味がないというワガママを言いたい部分もあります。
売り出しやすい作品とは?
どんな作品でも、黙っていても売れるようなものはありません。売りやすい作品は「広報をやったときにわかりやすい」作品だそうです。
コンセプトがしっかりしていると説明しやすく、その部分を聞いただけで面白そう!と思える作品が売りやすいのだとか。
そもそも、コンセプトが分かり難い作品を作っても、小売やユーザーが理解できなければ意味がないものです。
ユーザーが欲しいと思うようなものでなければ、小売は仕入れてくれませんからね。
その作品の強みを出す
広報において重要なのは、その作品の強みを押し出すことです。上記でも述べたように、その作品の強みが魅力的に見えればユーザーはその作品の購入を視野に入れてくれます。
そして、その作品の弱みには“触れない”。
例えば、立ち絵は豊富だけど、CGの枚数は少ないなど、弱いところを弱くないというのは嘘になりますが、弱いところに触れないことで嘘はつかないで済みます。
弱いところに触れずに強みの部分を押し出すことで、ユーザーはある程度察することができます。
普通、広報や宣伝でその製品の弱みを紹介しませんから、結構当たり前の手法ですね。
ネットでのマーケティング
広報といっても、熱心なファンでなければあまり見る機会はないと思います。特にエロゲーとなると何かと制約が付いてまわります。
最近ではニコニコ動画に専用チャンネルを設け、PVや序盤の実況プレイ動画、生放送による広報活動などを行っているエロゲメーカーが増えてきました。
エロゲに限らず、ダイレクトに宣伝が出来る場でもあるので、企業からの注目度は年々上がっています。
多くの場合、熱心なファンが集う場所にもなっているので、ユーザーからのダイレクトな意見を聞けるということでエロゲメーカーからも重宝されています。
逆に言えば、熱心なファンしか集まらないと言えます。
雑誌や広告などでその作品に興味を持った人は、公式サイトや通販サイトの紹介だけを見て、PVや生放送を見るまでには至らないのがほとんどです。
なので、新規ユーザーを獲得するためには公式サイトの方にも力を入れる必要がある訳ですね。
役割としては、ファンや既存ユーザーには広報で、新規ユーザーには公式サイトでアピールという風に分けられます。
売上げを大きく左右する広報営業は責任重大ですね。
SNSなどの活用
最近では多く企業がTwitterやFacebookを利用して広報活動を行なっており、コラボの切っ掛けにもなっています。エロゲーメーカーも多くが利用しており、最新情報の発信を行なっています。
こちらも上記で述べたようにユーザーからのダイレクトな意見を聞くことができます。
また、他のエロゲー関係者ともコミュニュケーションを気軽に取れるので、興味を持った人の目に自社アカウントが触れやすくもなります。
グッズ展開
抱きまくら、ポスター、マウスパッドなどブランドの中で評価が高かった作品はグッズ展開を行うことがあります。ファンに向けたサービスの一環ではあるものの、その作品が未プレイのユーザーに対して人気キャラを紹介する役割も果たします。
キャラ人気が高いということは、それだけ幅広いユーザーに対して訴求力があるということなので、本編も継続して売れる可能性があります。
広報としても紹介できる商品が増えるので、仕事はしやすくなります。
フィギュアの技術も昔と比べて上がっているので、WF(ワンダーフェスティバル)などのフィギュア発表会でもコンスタントに新作が発表されています。
メディア展開
近年広がっているのが、エロゲーのメディア展開。アニメ化は昔からされていましたが、最近ではコミカライズやノベル化も増えてきました。
例えば、DMM.comのブラウザゲームは一般版とR18版がリリースされることがあり、一般版をTGS(東京ゲームショー)やニコニコ生放送で発表しています。
エロ要素を強く押し出していない作品であればこういったこともできます。
数々の名作を生み出したブランド「key」は純愛系なので、アニメも全国展開しやすく実際に成功している例と言えます。
逆に抜きゲーのアニメ化はOVAでされることがほとんどですが、一定の需要があります。
まとめ
エロゲ業界は営業広報と開発との間に大きな意識の差があります。それは、マーケティングの観点だったり、クリエイター視点だったりします。
この意識の差はクリエイティブ系の仕事では絶対に出てくる問題です。
クリエイターが拘りを持っているというのは結して悪いことではありません。
しかし、結果的にクリエイターのオナニーになってしまっては売れません。
そして、広報営業は後出しで「売るためにこれを入れろ」と言うのではなく先に言っておく必要があります。
広報と開発が企画書を読み込こみ、企画段階でしっかりと話し合うことが大事です。
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