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エロゲ業界のグラフィッカー不足

エロゲ業界のグラフィッカー不足

星評価なし
(まとめ記事:)


概要

近年、縮小し続けるエロゲー業界ですが、どこも人材不足悩んでいる状態のようです。

エロゲーは中々売れず、シナリオライターは続々とラノベ業界へ行ってしまう。

エロゲー業界は今ライターだけでなく、グラフィッカーも不足しているようです。
グラフィッカーを募集するも、応募にくるのは「絵を描きたい」と思っているイラストレーターが多く、「絵を全然描かしてくれない」という理由で数ヶ月でやめてしまうとのこと。

そもそも、グラフィッカーとはどういう仕事なのでしょうか?

塗り師

“グラフィッカー(2Dグラフィッカー)”の定義は職種によって変わりますが、ゲームだとテクスチャを描くのがメインになります。
エロゲーの場合、塗り・背景が主な担当。
他には線画の修正もしているみたいです。

一般的に原画担当の方が華がありますが、塗り方しだいでCGのデキが良くなったり悪くもなったりします。
つまり、元原画を生かすも殺すもグラフィッカー次第ということです。

グラフィッカーは元原画担当の人が多いので、当然原画も上手です。
イラストの総合的な実力が強い人、つまりはプロレベルの方が担当することが多いようです。

また、塗りは出来るけど絵はさっぱりという人もいるものの、エロゲーのビジュアル面で重要なポジションを担当するということもあって、メーカーからは非常に重宝されている存在です。

作品やメーカーによっては原画師自らが塗ることもあります。

ちなみにUIデザインやパッケージ、ロゴデザインの担当は“グラフィックデザイナー”です。
“デザイナー”ですからね、この違いは重要です。

しかし、メーカーによってはこれらの作業もするようです。
そう考えると、やはりなんでもできる実力がないと厳しい仕事です。

グラフィッカー不足の理由

裏方仕事

では、なぜグラフィッカーが不足しているのでしょうか?

ひとつは“裏方”というところに不満を感じるのだろうということ。
イラストレーターの多くは、どこかしら表舞台で活躍したいと思っているものです。

しかし、裏方仕事のグラフィッカーは目立ち辛く、話題になっても注目されるのはやはり原画担当というのが辛いところ。

淡々とした作業

もうひとつは、指定された色や塗りを淡々と塗る作業なので、イラストレーターと比べて精神的に辛いということらしいです。
自由のきかない作業になるので、自分の描きたいものが描けず、精神的に参る人も多いようです。

慣れていない状態なら当然リテイクも毎回のように出されます。

いわゆるライン工のようなものなので、段々とそれが苦痛に感じてくるのでしょうね。

シワ寄せがきやすい

原画や他の外注などの遅れで全体のシワ寄せが一気に来るというのも理由でしょう。
CGができなければゲーム画面に載せられないので、プログラムやシナリオだけがほぼ完成していても肝心のものが無ければ完成とは言えず、立ち絵だけのシーンが多いとユーザーは満足しません。

そのため、売上げにも影響しやすい位置なので作業量とプレッシャーが重く圧し掛かります。

そして、チーフグラフィッカーになっても仕事が増える一方で給料も中々上がらない。
これはゲーム業界の抱える問題ですね。
とはいえ、どこのメーカーもグラフィッカー不足なので、営業・交渉力次第ではフリーでも十分稼げるみたいです。

即戦力を求められている

一般企業に限らず、エロゲやゲーム業界でも即戦力が求められています。
そのため、就職するだけでもハードルは非常に高く、仮に就職ができても一定期間は練習と様子見の期間に当てられます。
その後、上司にいけると判断された場合に仕事の塗りに取り掛かります。

エロゲ業界でのグラフィッカーは歩合制なところが多く、練習期間などの場合は給料はほぼ出ません。

即戦力としてのレベルを求められるので、面接の申し込みなどでは、自身が描いた女の子のエッチシーンのイラスト・人物以外の風景や絵を複数枚・自作の同人誌などメーカーの雰囲気に合う自信のあるものを送付すると良いとのこと。
他にも自分のホームページやpixivのアドレスでも良いです。

グラフィッカーはエフェクト演出にも関わるので、塗りだけでなくそういった部分での研究も必要になるでしょう。

しかし、即戦力を求めるあまり新人が育たず、人手不足に陥るというのは業界全体の抱える問題でもあります。
体力のあるメーカー以外では新人を育てる余裕が無いというのもあるでしょう。
また、原画師を目指す人が多いので、グラフィッカーの次は原画という流れでグラフィッカーがいなくなるというのもあります。

報酬の未払い・低単価

フリーランスで最も恐ろしいのが報酬の未払いです。
某巨大掲示板で語られるくらいには未払いの話はあり、メーカー名はボカシつつも怒りを抑えきれない感じが伝わってきます。

また、1つの依頼の報酬も多い訳ではないので、未払いが発生すると生活すらままならなくなる可能性もあります。

時には作業量に対して割に合わない依頼が入ってくることもあります。
依頼が来た時は迷いつつもも受けたは良いが、やっぱり受けるんじゃなかった…そんな話はイラストレーターのブログだけでもよく転がっています。

グラフィッカーのメリット

技術の向上

これまで黒い面ばかり書いてきましたが、良い面もあるようです。

ひとつは塗りの技術力の向上
ひたすら塗りを行っていると自然とその技術も向上し、結果自分の描いたイラストの塗りも綺麗になります。
塗りが綺麗になるということは自分の表現したい色や雰囲気を再現しやすくなり、表現の幅も広がります。

また、原画師の持つ特徴的な塗りに近づけることに喜びを見出す人もいます。
ただ、塗りばかり行っていると肝心の絵の方も疎かになりがちなので難しいところ。

他にも着色前の原画を間近で見れるというメリットもあります。
しかもそれを自分の手で塗っていくのですから、ファンにはたまらないでしょうね。

次の作品までの繋ぎに

会社に所属している原画師ならまだしも、いくら有名なフリーの原画師でも、現在制作している作品が終わったら直ぐに次の新作の制作とはいかないことは少なくありません。 そのため、次の新作の制作依頼が来るまではグラフィッカーとして食い繋ぐことも。 特に背景と塗りをきっちり仕上げられるグラフィッカーは貴重なので、外注といえど非常に重宝されています。 また、有名メーカーとの関わりを持ちやすいのもフリーのグラフィッカーのメリットと言えます。(その作品が正式に発売されるかどうかは別として)

まとめ

PixivやTwitterで多くのイラストを見かけ、仕事を募集しているイラストレーターが多くいます。

しかし、あまりに多くいるためイラストレーターという存在自体が飽和状態になっています。
今、ソーシャルカードゲームと言われるアプリのカードイラストのほとんどがイラストレーターが描いたものです。

私はイラストを描ける人を尊敬しますが、同時に、今のこの人の実力ではこの先厳しいだろうなという方もいます。
けど、そんなことは描いている本人が1番分かっているでしょう。

今の時代、グラフィッカーや原画など、イラストレーターは人物以外になんでも描けなければ中々仕事が回ってきません。
ユーザーの目も年々肥えていってるので、ハードルはどんどん上がっていきます。

エロゲー業界ではグラフィッカーから原画を目指す人もいるようです。
そこで、技術のレベルアップも兼ねてグラフィッカーに挑戦してみるのも良いのではないでしょうか?

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