フィギュアも児童ポルノ扱い?
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概要
結構前に、teacupから複数のガレージキット製作サイトに通告があったようですね。
なんでも「児童ポルノもしくはそれに類するものとの通告が外部機関よりあったのでブログを削除する」といった内容でブログ主は頭を抱えていた様子。
では、どれだけ卑猥なフィギュアなんだろう?と見ていると、性器のモロ出しも無く、乳首が服の上から起っているのが分かるとか、衣装のくい込みといった軽度のエロスを感じる作品が削除対象にされたとか。
「インフィニット・ストラトス」のシャルロットや「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の桐乃・黒猫など、「児童ポルノ」と言うには無理がないか?という作品ばかり。
児童ポルノの定義
そもそも、日本では「児童ポルノの定義」として、18歳未満の少年少女を被写体としたポルノグラフティを”児童ポルノ”としています。基本的には性器、胸が出ているとアウトになります。
2014年の改正では曖昧だった定義も「殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているもの」という一文が加えられ、定義の厳格化が図られました。
また、マンガやアニメなどの創作物は対象ではありません。
そのため、この問題で対象になったガレージキットは”児童ポルノ”に含まれません。
惜しむらくはこの問題の数カ月後に改正されたことでしょうか。
運営の回答
とある有志の方がGMOサポート宛に送った抗議文に返答があったようです。以下抗議文の引用
“御社のblogサービスを利用中の一部のユーザー宛に、記事掲載の模型の写真が児童ポルノに類するとしてblog削除の通告を行っていることを知りました。
外部機関よりの通報を受けたことを削除の理由とされているようですが、そもそも児童ポルノとは「実在の児童が性的搾取を受けている写真や動画など」を指すものであり、いかに模型の写真が不特定の人間にとって性的興奮を喚起するものであろうとそれは児童ポルノには該当しません。
今回の御社による一方的なblog記事削除通告は明らかにユーザーの権利を侵害しており、いち閲覧者としても容易に看過することはできません。
速やかに一連の通告を取り下げ、ユーザー各位への謝罪を行われることを切望いたします。”
以下GMOからの回答
“ご連絡が遅くなり大変申し訳ございません。
GMOメディアサポートセンターteacup.担当○○○です。
今回のブログ削除に関するご連絡において「児童ポルノまたはそれに類する疑いのある内容の投稿」という不足した表現を使用したことにより本来児童ポルノにあたらないものについても該当するかのような誤解と混乱を招きましたこと、深くお詫び申し上げます。
今回のお知らせは、法的に児童ポルノにあたるものと、teacup.の基準で不適切な内容と判断したものに対してお送りしたものです。
ブログ運営事業者として、表現の自由は尊重いたしますがteacup.の運営方針に基づく規制を行っております。
その点につきましてはご理解をお願いいたします。”
外部機関からの通告があったと言っておきながら、実際にはGMO側の判断で削除通知を出したという。
仮に規約の変更をしたのであれば「外部機関」という表現は必要ないので、削除理由は完全にでっちあげ。
削除要請をした外部機関とはどこなのか?
では、気になる”削除要請をした外部機関”とはどこの誰なのか?teacupの広告を見るとそれは「Google」であることが分かります。
現在、Googleが提供しているGoogle AdSense(グーグルアドセンス)ではアダルトコンテンツの広告による収益化は一切禁止されており、どこもその対応に追われています。
水着画像やセクシーフィギュアも性的表現の規約に違反してしまいます。
そのためGMOは広告主であるGoogleに配慮して、今回のブログの削除ということになったようです。
Google AdSenseとは?
そもそも「Google AdSense」とはどんなサービスを提供しているのかを簡単に解説します。ユーザーが所有するウェブサイトに広告を貼り付けると、その広告がクリックされると報酬が得られるいわゆる「アフィリエイト」と言われるもの。
Google AdSenseは、サイト内のコンテンツを自動で解析して、内容にあった広告を自動で表示してくれるサービスを提供しています。
これを「コンテンツ連動型広告」と呼びます。
サイトを所有していれば誰でも無料で申し込めますが、アダルトコンテンツや暴力表現などがあると申請段階で断られることがあります。
また、申請が通ったあとでも定期的に審査されるので一度申請が通ってしまえば大丈夫ということはありません。
規約も年々厳しくなってきており、簡単に儲けられるイメージのあるアフィリエイトも実際には規約に触れず、かつ多くの人がクリックするような魅力的なコンテンツを用意する必要があるので相応の努力が必要になります。
規約違反によるアカウント停止なども珍しくなく、Googleに依存しているということもあって、アフィリエイトだけで食べていける人は極々一部です。
ネットビジネスも一筋縄ではいかないということですね。
今回の場合は、GMOがGoogle AdSenseを導入していることから始まったのではないかと思われます。
ロリ・ショタ系のエロ漫画は児童ポルノなのか?
“児童ポルノの定義”でもありましたが、そもそも児童ポルノは3次元の少年少女に定義されています。なので、ロリ・ショタ系のエロ漫画は児童ポルノの定義からは外れます。
「非実在青少年規制」という文字・視覚・音声情報で未成年と認識される創作上の架空のキャラクターが登場する作品は全て不健全指定図書類に指定できるという強引な規制ができる都条例も出てきました。
今でこそ話題に挙がりませんが、今後も類似した規制を唱える団体は出てくるでしょう。
まとめ
「児童ポルノ」や「青少年保護の観点」など一見真っ当な理由に見えるものでも、実際にはあれこれ難癖をつけて規制しようという流れが今回の件ではよく分かります。規約や法的な観点から言ってもなんだか怪しい…。
ここ数年、規制を足掛かりに何やら企んでいる方々が、なんとか規制をしようとやっきになっている様子。
少し前に話題になった、某番組のアニメ規制に関する茶番も議論ではなく感情論になっていて失笑もの。
こうした人達を監視するためにも、今後も規制問題に対する議論は必要でしょう。
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