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ソーシャルゲームのイラスト制作依頼をされたら?

ソーシャルゲームのイラスト制作依頼をされたら?

星評価なし
(まとめ記事:)


概要

ソーシャルゲームのイラスト制作依頼をされたら?
グリー、モバゲーを筆頭としたソーシャルゲーム(以下、ソシャゲ)が台頭してから6年以上経ちました。
今やソシャゲ・ブラウザゲーム(以下、ブラゲー)を誰もが一度は遊んだことのあるコンテンツへと成長し、多くのゲームメーカーが参入してきました。

ソシャゲ・ブラゲーは今も増え続け、何種類かのものを掛け持ちして遊んでいるユーザーは少なくありません。

そして、ソシャゲで最も多いのが「カードゲームRPG」といわれるジャンルです。
様々なソシャゲで採用されているカードゲーム形式で、イラストレーター達が描いたイラストが多く出回っています。

今回はそんなソシャゲ・ブラゲーで活躍するイラストレーターの話。

どうやって仕事を受けるのか?

多くのイラストレーターは、Pixivや自分のホームページで仕事の依頼を受付けています。
最近ではイラストレーターのTwitterでも”仕事募集しています”といった自己紹介をよく見かけますね。

中にはイラスト外注業者と契約をして、そこを経由して仕事を受けるといった方法もあります。
外注業者が依頼人とのやり取り、納期管理、クオリティ管理などを行い、報酬は外注業者から支払われます。

外注業者経由だと、ソシャゲ・ブラゲーの場合は基本的に大量発注で、中間マージンも発生するため、イラスト1枚1枚の報酬はあまり高くはありません。
なので、イラストで食べていくには少し厳しいかもしれません。

悪質な業者を見極める

ソシャゲ・ブラゲーで使用するイラスト制作の依頼をする業者の中には、金儲けの手段としてしか見ていない業者が存在します。
そういった業者は無料でスカウトの連絡をしてきたり、1件数百円で買い叩いてきたりします。

このような業者に付け込まれないように交渉の仕方など、ビジネスの基本を覚えておきましょう。

大手だから安心とは限らない

クライアントから仕事の依頼が来たからといって飛びついてはいけません。
嬉しいのは分かりますが、まずは落ち着いて依頼の内容を吟味しましょう。

大手メーカーなど有名作品を運営しているところだからといって、必ず自分のメリットになるとは言えません。

まず依頼を請ける前に、営利目的でなればイラストの公表を許可してもらえるのかを確認しましょう。
ソシャゲ・ブラゲーはイラストを描いたイラストレーターの名前を公表していない場合があります。

イラストの公表を許可できない依頼は請けるかどうか一度考えましょう。
イラスト制作時には必ず著作権が付いてまわります。

大抵の場合は、著作権譲渡が前提で、ロイヤリティが発生することは滅多にありません。
なので、低い報酬で権利を全て譲渡する必要がある業者は信用するには厳しいです。

無名であれば低報酬でも仕方ないとは思うでしょうが、ただイラストを描くだけでは次の仕事に繋がりません。
イラストレーターとして食べていくのであれば「このイラストを制作したのは誰か」が分かるような状態でなければ自身の名前は売れません。

イラストレーターの名前は”ブランド”

有名イラストレーターの活躍を見ると分かるように、イラストレーターにとって「名前」はブランドです。
大手では「高い報酬を出すから優先して請けて欲しい」と有名イラストレーターを囲っている噂もある位です。

また、業者の意向を優先し過ぎるあまり、自分の持ち味を生かせなければ没個性な作品になってしまいます。

企画書などを見せて貰えるのであれば見ておきましょう。
企画書には作品のテーマやコンセプトが載っているのでイラスト制作の際の指針になります。

報酬について

上記に書いたように、信頼できない業者はイラストを安く買い叩きます。
技術があることが前提ですが、下手に安売りをすると自身や制作した作品の価値を下げることにもなります。

大手出版社から有名イラストレーターに、キャラ1体につき8000円でキャラクターデザインの依頼を出したことがありました。
雑誌やゲームといったメディア媒体の売りになるようなキャラクターということは、そのキャラクターでグッズを制作したりなどで最終的に出版社は大きな収益を見込める内容です。

1体8000円で、制作に2日かかった場合は1日4000円。
20時間掛かった場合は時給400円です。

当然、このような割に合わない仕事をそのイラストレーターは「私は~万円から承っております」と言って断りました。
大手でもこのようなことがあるので注意です。

仕事の依頼があった場合は「消費税、納期、支払い日」も確認しておきましょう。
できれば「消費税は外税」で、「税込み」と提示された場合は金額を見て判断しましょう。

「締め切り」の確認も当然の事ながら大事です。
納期が遅れれば、クライアントからの信用を無くしてしまいます。
また、それぞれにかかる制作時間なども考慮する必要があります。

そして、「支払い日」の確認も忘れずに。
大切な報酬ですから後々トラブルにならないように確認しておきましょう。
クライアントによっては「3ヶ月後」だったり、明確にできないところもあるようです。

仕事を受注し、納品後は請求書を送るのも忘れずにしましょう。

どの需要を狙うのか?

イラストで食べていくのであれば今はどんなイラストが需要があるのかなど、ビジネス的な観点も必要になります。

現在、無名のイラストレーターに多いのはアニメ調の“アニメ絵”
逆に少ないのは、三国志や戦国武者、メカや風景などリアルなイラストを描ける人です。

アニメ絵を描く人は多く、どこも飽和状態なので1枚あたりの報酬も安い傾向にあります。
そのため、この価格ではできませんと依頼を断っても「じゃあ他に頼むわ」となり易いです。

対して、リアル系のイラストを描くことは簡単なことではなく、高い技術が要求されます。
ですが、業界内でも絶対数が少ないために重宝されやすい傾向にあり、報酬も一段上を狙えます。

縦長の構図

ソーシャルゲームのイラストの多くは、スマホの画面に合わせて縦長の構図が採用されることが多いです。
そのため、イラストも縦長に合わせた構図にする必要があります。

全身を入れてキャラクターを描く場合、キャラクターの表情が伝わりづらいことも珍しくありません。
どういった表情で、どんなポージングをしているのかなど、アングルに工夫が必要になります。

また、イラストの世界観やコンセプトはもちろんのこと、キャラクターの性格を表すために服装や表情だけでなく、構図や背景も含めて考えることも必要です。

ホームページを見直す

最後に自分のホームページを見直しましょう。
例えば、「イラスト制作代理店 株式会社サーチフィールド」さんは以下のようなところを見ています。

  • 実績公開NG案件のイラストを公表している
  • 版権モノのイラストばかり載せている
  • 18禁のイラストばかり載せている
  • 古いイラストしか載っていない
  • ラフやデッサン画が中心

どうですか?当てはまる場合は直ぐにでも修正しましょう。
あくまで趣味で公開しているホームページなら問題はないでしょう。
18禁イラスト中心でもエロ漫画やエロゲーを中心に活躍するのであれば、むしろありです。

プロダクション・広告代理店のメリット

依頼が入って来やすい

プロダクション・広告代理店と契約する場合、メリットとしては依頼が入って来やすいことが挙げられます。
ある程度は作風などの傾向に合わせて依頼を送ってくれるので、受注する側もイラスト制作が楽になります。

また、大手企業から受注することもあるので自身の制作実績にも繋がります。
自営業・フリーだと自身で企業に売込むなどの必要もあるため、成功するまでのハードルも高いです。

制作に集中できる

中間マージンこそ取られますが、プロダクションや広告代理店と契約する場合、事務手続きなどの面倒な作業を任せることができます。
なので、イラストの制作に集中しやすい環境を整えることができます。

フリーの場合、一人で営業・経理・制作を行う必要があるのでイラスト制作に集中するのが難しくなります。
特に経理関係が分からないという人は経理の勉強が必要になるので、イラスト制作の技術向上は後回しになりがちです。

とはいえ、プロダクションや広告代理店と契約する場合、3日以内に制作・納品をして欲しいという依頼も来ます。
基本的にはそれが可能な人に依頼を送るので、間に合いそうに無いのであれば断ることもできます。
プロダクション・広告代理店側もクライアントからの信用が大事なので、間に合わなかった時を考慮すると無理強いは中々できません。

しかし、イラスト制作が早ければ次の依頼にも早く取り掛かれるのも事実です。

自営業・フリーのメリット

取捨選択がしやすい

イラスト制作の依頼の中には割に合わない内容・無理難題を言ってくるクライアントも中にはいます。

「絵なんて直ぐ描けるでしょ?」というクライアントには、打ち合わせの必要性やイラストの摺合せ、制作に掛かる期間と報酬額などの説明をしっかり行いましょう。
それでもお互いに納得できない様でしたら丁重にお断りしましょう。
付き合うだけ時間の無駄です。

依頼内容の良し悪しの判断を自分で下せるのもフリーの良さであります。
ただ、それには経験も必要になるので1日2日で身に付くものではありません。

ブランドにしやすい

売れっ子・有名イラストレーターは大抵は自営業・フリーで活躍しています。
自分で売込みに行かなくても依頼が入って来ますから。

まだ名前があまり知られていない人でも関わったコンテツが成功すれば次の依頼に繋がりやすくなります。
この点はプロダクションの所属していたり、広告代理店などと契約していても同じ。

50点以上の大量発注が来やすいプロダクション・広告代理店からの依頼ではある程度統一感を出すために”似たような画風”のイラストレーターに依頼を発注します。
その中で個性を押し出すのは難しいものです。

一方で5~10点以上で大量発注になるフリーの場合、自分の個性を押し出した作品を提供できます。
また、制作クレジットに自身の名前を載せて貰いやすいので”売れっ子イラストレーター”になれる可能性もグッと上がります。

まとめ

結局のところイラストレーターとして食べていくには、得手不得手があっても、風景やメカ、人物を問わず、なんでも描けなければいけません。

駆けだしの頃は、報酬の安いソシャゲ・ブラゲーなどの依頼を受けることが多いでしょう。
どの程度の制作ペースで依頼された量を達成できるのか、報酬は妥当なのかなど、天秤にかける必要があります。

依頼を受けたは良いが、安く割に合わなかったからといって逃げてしまうと後々影響が出る可能性があります。
苦しく辛いこともあるでしょうが、どんな仕事も一筋縄ではいかないものです。

今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。

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